2011年7月1日金曜日

空腹の向こう側

先日、無性に美味しいパスタが食べたくなった。

自分で作ったものではなく、人に作ってもらった美味しいパスタが食べたい。
しかし、高級チックで大きな幅広の皿にそうめんみたいなパスタがちょこんと乗せられたようなパスタは食べたくない。私が食べたいパスタは、街でよくあるようなイタリアンの雰囲気でありながら、センスある人が作った美味しいパスタだ。

今日は美味しいパスタを食べる。

と心に決めて仕事に出かけたので、もちろんそれまでの食事を抜いた気合十分の体勢で挑んだ。刻々と時が進むにつれ、空腹感がこれでもかこれでもかと私を襲う。我慢すればするほど、ご飯が美味しくなるんだと自分に言い聞かせ、仕事を続けた。

やがて、仕事が終わる頃には私はすっかり、空腹という怪物に飲み込まれ、美味しいパスタから気持ちはハンバーグ、とんかつ、卵、海老フライ、チーズ、肉茄子炒め…と様相を変えて、私の頭の中は脂と大盛りのオンパレードのお祭り騒ぎであった。

いかん…!!
私はパスタが食べたいのだ。
しっかりするのだ、おぬき!!

と自分で自分を励ましつつ、携帯でいい店はないかと検索していると

『東京スパゲッチ』

というお店を発見した。

脂、大盛り、チーズ、とんかつ、ハンバーグ…ほぼすべての欲望を満たしてくれるではないか。なんて素晴らしいお店なんだ!!

当初の美食的パスタから路線を多少外した感はあるが、これで美味しければ問題ないのだ!!

東京スパゲッチに到着し、食券を買う頃には私の空腹は頂点に達していた。
それでも冷静だったのは、900gのパスタではなく450gのパスタを選んだことだ。

以前、1kgのステーキにチャレンジして死にそうになったことがあったから。

しかし、450gのパスタでは足りないといけないので、とんかつの乗っかったガーリック醤油味のパスタを注文した。もちろん、ここにベーコンのトッピングを忘れてはならない。

運ばれてきたパスタはうどん並の麺の太さ。私、こういうの大好き!
とんかつの上にはデミグラスソース。大きなベーコンが添えられていた。

そこにこれでもかというくらい粉チーズをかけ、わしゃわしゃと食べ進める。
麺が太いのでほんの数本フォークに絡めただけでも口の中がいっぱいになってしまう。一生懸命パスタを頬張って食べているうちに、顎が疲れてくる…ははは。

まだまだお腹には余裕を残したまま完食。
はー、美味しかった。600gでもいけたかもしれないなー。

などと余裕ぶっこいて帰宅。

その後、お腹を壊しました。

空腹感の波に飲み込まれ、その向こう側に見たものは、トイレという小さなお部屋なのでした。

おしまい。

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