2011年12月5日月曜日

洒落た紳士の言い逃れ

仲良しのライブハウスのママが、たいへん妄想上手で羨ましい。

ある日、いつもより幸せそうな彼女にその理由を尋ねると、素敵な男性が自分のためにコーヒーを入れてくれていることを妄想したら、とっても幸せになれた、おぬきさんも妄想を始めたいい、と言われた。

私は妄想を始めるとどうしてもネガティブな妄想になってしまうのだ。私の山仲間の先輩もそうだった。ある日の登山帰り、ふもとの駐車場からバスが出発するとき、隣に座る先輩がいきなりブルブルと激しく首を振った。どうしたんですか?と尋ねると

「さっき、駐車場の仮設トイレに入ったんだよ。山のトイレは汚いのが当たり前だろ?それを考えてたら、妄想が進んで、便器の中から***がヒルみたいにバババーッと俺に襲いかかる…と想像してしまったんだよ。いやー、震えるよなー」

そりゃあ、震えますね、と同意をしたのだが、私も同じく、妄想がネガティブになりがちだ。

私の恐怖の妄想は、ライブのステージ上で**が***して、*****することなのだが、ネガティブレベル9くらいの強烈なものなので、ここには記さないでおく。

先日、ネガティブレベル1の妄想が現実となった。
それは、男性しかいない会場でドレスのファスナーが上がらなくなるという妄想だ。

まさかの瞬間だった。

いつもなら上がるはずのファスナーが上がらない。
息を吐いて、お腹を引っ込めて、再度チャレンジしても全然無理。

このお店は初老の紳士達が手抜きなしのホスピタリティで客をもてなしてくれる元赤坂の名店。辺鄙な場所でもへっちゃら、いつも満席のフレンチレストランだ。

ここのスタッフは、全員男性なのである。
そして、本日の共演者は男性ピアニスト。

困った…。

誰に助けを乞うか。
このうら若き乙女の玉のような肌を見せつけて、何も感じない男性はいないだろう。きっといないさ。いないはずに違いない。よしんば何も感じなかったにせよ、何か心に残るものはあるだろう…?いや、そういうことではない。今はこのピンチを乗り切らなくてはならない。ネガティブ妄想レベル1が現実になったのだ。さぁ、どうする!?自分!?

私はドレスのファスナーを中途半端に上げたままそっとホールを覗いた。

今日も満席の当店では皆さんとっても忙しそうだ。

そこにお店のマスターがやってきた。彼はこのお店のオーナーであり、年長者であり、筋がね入りの紳士である。

「マスター!ちょ、ちょっとお願いしたいことが…」

私は手招きをしてマスターを女性の個室へ呼んだ。
マスターは不思議そうに「何か不都合でも?」という表情だ。

私は思い切ってマスターに背中を向けて「ファ、ファスナーを上げて下さい!」とお願した。するとマスターはガッテンいったという顔をしながら

「俺はファスナーは上げるんじゃなくて下げるのが得意なんだよー」

と言って頑張ってくれたのだが、やはり無理。ピアニストを呼んでこようと、個室にピアニストが呼ばれた。彼は私のこの手の現場は2度目。前回の神の手によって救われた私のファスナー事件のときも現場にいた人なのだ。

「のり~!お前またかー!!」

と罵られ、彼もファスナーにチャンレンジ、しかし、その直後。

「指が痛い。俺、ピアニストだからダメ。お前はこのまま出ろ」

ガーン…。はい…、このまま出ます。皆さんには上手に背中を隠すことにします。いいえ、太ったんじゃないんです。お昼についうっかり食べすぎちゃったんです。我慢できなくてついかき揚げ天ぷらを3つも…。

「何やってんだよー…」

とピアニストもあきれ顔。すみません…。
でもでも!1ステージ終わったらファスナーは絶対上がるから!!1ステージ終わるごとにどんどん痩せるから見てて!!

と言い逃れをし。本番前、トイレに用を足しに行くたびに「痩せてきます」と宣言し、ステージが始まる前にも「痩せますから」を連発し、1stステージは終了。ファスナーはといえば、自力で余裕で上げられるほどいとも簡単に上がりました。1ステージでかき揚げ3つよ、さようなら。なんて燃費が悪いんでしょう。

その後、休憩のたびにマスターから「男はファスナーを上げるんじゃない。下げる方が専門なんだ」と教え込まれ、その日の名店の夜は更けていったのでありました。

おしまい。


2011年9月21日水曜日

小さめのドレス

悲しいことがありました。
いや、楽しいことがありました。
いや、人の優しさを知りました。

これは自慢ではありません。
断じて違うんです。
信じて下さい。

私、胸が大きくなりました。

幾種類も飲んでいるサプリメントのせいなのか、毎日欠かさずに行っているリンパマッサージのせいなのか、それとも果てしなく続く私の不埒な妄想のせいなのかはわかりません。

あ、太ったのではありません。
自信はないですけど、太ったのではありません。
とんかつ定食ご飯大盛りもちろんおかわり、とか普通にやってますけど、たぶん太ってないと思います。

先日の六本木のSTB139でのライブの時のこと。

リハーサルを終え、メンバーと一緒に楽屋で寛いでいました。

本番1時間前でしたが、出演者たちはぼちぼちと衣装に着替え始めていました。どれ、私もドレスに着替えようかな。なんと、今日は奮発してツーポーズ!最初は華やかにオレンジ色でいこうかな。

気楽にオレンジ色のドレスを手に取り、私は個室へ入り込んだ。

このドレス、久しぶりなんだよなー。
でも、最近痩せたからスッスッスーッと着れちゃうもんね。

などと思いつつ、ファスナーを上げる。…フ!!…あれ?…フ!!…あれ?…ホッ!!

フゴーーーーッ!!!

変な声を出しながら、私はファスナーという小賢しくも困難な敵に挑んでいた。
空調の風のない個室で私は俄かに汗だくになり始めた。

いけない。このままでは生地が張り付いて余計に着づらくなる。

私は個室を出て、みんなの待つ楽屋へ戻った。

STBの楽屋は何部屋もあって、だいたい女性演奏者と歌手の楽屋は毎回同じ。今回はクラリネットに女性のエキストラが入ったので、彼女も合わせて4人の女性が同じ楽屋を共有していた。

すみませーん、ファスナー上げてくださいーーー!!!

私が行くと、よし来たガッテン!と言わんばかりにフルートのTちゃんがファスナーに挑みかかる。私も必死に肺の空気を抜きつつ、ファスナーを上げようと頑張る。

しかし、スパンコールやビーズでなかなかつかみどころのない衣装。こっちを伸ばせばあっちが立たずでなかなかファスナーは上がらない。

Tちゃん「もう一人の手助けがいる!お願いします!」

Tちゃんがクラリネットの女の子に声をかける。「はい!」と彼女は元気よく返事をし、一緒にファスナー戦に参加。わいわいやっていると、隣の楽屋からドラムのMさんが勢い良く駆け寄ってきて、

Mさん「何なに何なに!?俺やる!俺やる!俺にやらせて!!」

となぜか喜んで参戦。しかし、この難しい戦いに参加したことにすぐさま後悔の声を出す。

Mさん「痛い…。指が…痛い…何これ…上がらない」

Tちゃん「待って、私がここを押さえるから」

クラ「…。」(必死)

全員「せーの!!」

私「…ハフ!!」

みんなで一丸となって戦っていると言うのに、一向に歯の立たない戦い。そのうち、指揮者のHさんが世にも珍しい光景と言わんばかりにカメラのシャッターを切り始めた。小さな楽屋はてんやわんやの大騒ぎだ。

くそぅ、もう諦めてもう一つのほうのドレスにするー!!

Tちゃん「いや…これは絶対に上がる!待って、もう少し…」

私「…クァッ!!」

やはり、歯が立たないのだ。
もうダメだ。みんなの心が折れかけた時。

隣の楽屋からメンバー一番の巨体 - "デラックス"という異名を持つ男 - ベースのDちゃんがさっそうと入って来るなり、私の胴体を両手でグッと押さえこんだ。

私「ぐは!」

その時、全員がファスナーに手を伸ばした。

「今だ!」

みんなの心が一つになり、なんと、ファスナーはいとも簡単に上へ上がってくれたのだった。

Dさん「な!?」

と、全員にどや顔を見せ、片手に煙草の箱を握りしめながら、入ってきた時と同じようにさっそうと部屋を出て行った。

大きな大きなDちゃんの背中を見て、ああ…あの人も一人で洋服を着る苦労を重ねてきたんだな、としみじみ思う。みんな、ありがとう。おかげさまで、素敵なドレスを"装着"することができました。

Tちゃん「おぬきさん…入りましたけど…ブレス、出来ますか…?」

私「…します。超人ハルクみたいにドレスが引き千切れても。」

と覚悟の顔の私。

本番直前、ステージに上がっていく共演者の人たちが口々に「Dスケにアバラ押さえられたんだって?」「Dスケがアバラ押さえたんだって?」と声をかけながら私を通り過ぎて行った。

くそぅ、絶対痩せてやるーーー!!!ガリガリ宣言、再び発令なのだ!!!

あ、太ったんじゃないんですよ。胸が大きくなったんです。
あ、自慢じゃないですよ?本当です。本当に胸がお…以下自粛。

がんがります。

2011年9月6日火曜日

恥ずかしさの切り抜け方。

人前で小さな失敗をしてしまった時、誰もが少しは恥ずかしいと感じるのだろう。

夏祭りで屋台の焼きそばを食べて、思いっきり笑顔で彼を見上げたとき「歯に青海苔がついているよ」と指摘された時の恥ずかしさ。あるいは、左右違う靴下を履いて外出してしまった時。あるいは大事なお客様を「お父さん」と呼んでしまったこと。あるいは、強風にあおられ部分カツラが少し浮いてしまったこと。よく、お年寄りがスラックスのチャックを開けっぱなしにしているが、本人はどうでもいいのかもしれないが、それは私が恥ずかしい。

挙げればキリがない。

ずいぶん前の話だ。

私は上司と一緒にビルの廊下を歩いていた。
会議室付近ということもあって、とても静かな廊下だった。

何かの理由で私が上司の前に出た時だった。

プッ!

引き締めていたにも関わらず、私のお尻から出てしまったガス。

引き留めようと思っていたガスがついにもう外へ出ようと決心をし、私を裏切ろうとする瞬間、私はガスが排出する音と共に、前へ少しジャンプした。



上司   「お前、今、おならで飛んだな」



上司が小さくつぶやいた。

私     「やってみればできるものですね」

私は不敵な笑いで上司を振り返った。

それ以来、私はこの手の失敗をジャンプすることで切り抜けている。
ものすごくセンスのある切り抜け方だと自負しているが、上司のようにこの洒落がわかる人はそれほど多くない。

っていうか、人の前でおならは良くない。

おわり。



2011年8月31日水曜日

きらきら星変奏曲

誰もが知っているモーツァルトの名曲。

次のピアノの課題曲として選曲してみました。
モーツァルトとは相性のいい私。

楽しく練習できそうです☆

ほーんと、いろんなことが楽しくて仕方がない。
ピアノの練習も、歌う曲のアナライズ作業も、声を出すことも、全部楽しい。

ついでを言えば、飲むことも食べることも楽しい。
誰かと一緒にひとつの作業をするのもとっても楽しい。

唯一、最近、私が苦手なのは睡眠。

すっごく眠たいんだけど、起きてるのが楽しすぎて眠るのがもったいなくなるの。

でも、眠たすぎてふらふらになってベッドに倒れこむとき、きらきら星のメロディが
頭に響くとなんだかとっても幸せな気持ちで眠りの世界へ旅立てるのです。

明日は音楽療法の日なのでとても早起き。(私にとっては)

我慢して早く眠らなくちゃ。

2011年8月16日火曜日

スマホに夢中

急に思い立って携帯をスマホに機種変更しました。

もともとの携帯の電池が寿命だったから、ぐずぐずしてる理由はないなと思ったのです。

それにしても携帯からスマホへの情報ツールはこんなにも進化したのかと目を見張ります。やれることがすごくなった、とういうレベルではないんです。情報に対するアプローチ自体が進化したという感じ。驚いたのは、携帯に比べてスマホのほうがマニュアルが薄い。ほとんどないと言ってもいいくらい。もちろん、私の大好きな取扱説明書はネットで簡単にダウンロードできる。でも、ほとんどいらないくらい、ユーザーフレンドリー。素晴らしい。

ただ、突然電源が落ちたり、ネットが切断されたりするんですよねー。
メールなんかも長文を書いていると突然終了。どこにも保存されてない。愛情込めたラブレターなんて書いてる途中でこんなことがおきたらショックで舌を噛みたくなる。

世の中は便利になったなぁ。
ポケベルとか持ってる時代、ありましたよね。私はその時代はよく知りませんが。
暗号みたいな文字の羅列でメッセージをやりとり。限られた情報なので、遅れるとか、ごめんとか、ありがとうとか、電話くれ、とかその程度の情報しかやり取りができなかった時代。

今では普通にメッセージが残せるどころか、お互いの顔を見ながら電話で話せる時代。

遠く離れている人とでもどこでも話せるこの利器は、メールだって出来ちゃうし、ネットサーフィンだってできちゃうし、SMSでの仲間とのコミュニケーションもできちゃうし、読書だってゲームで執事と恋愛するのだって、なんだってできちゃうのだ。すごいなぁ。

でもね。

まだ情報収集にはツールが必要なんだよねー。
いつか、頭の中で世界中の情報にアクセスするってことにはならないかしら。頭の中で【Ctrl+F】がいつでも出来る状態!

そうしたら、勉強とか試験とか全然必要なくなっちゃうかしら。
でも、学校は必要だよね。

だって、学校って楽しいもん!私は粘土の時間も絵画の時間も音楽の時間も全部好きだったなー。もちろん、ドッジボールだって大好きだった。体育で一番燃えたのは馬跳びだった。今でも、馬跳びを超えるほどの楽しい運動はないと思ってる。スキーやサーフィンを凌ぐ気軽さ、楽しさ。誰かが「もうやめようよ」と言わない限り、永遠と続けられる夢のようなあの遊び!

世界中の情報に頭の中でアクセスできる時代が来たら、子供たちは学校でたくさん遊べばいい。いたずらだってたくさんすればいい。そうして心に楽しさをずっしりと詰めた子供時代を送ればいい。

そんな時代まで、生きられるかなぁ?

せめて、米国政府と宇宙人が握手するシーンが見れるくらいまでは人生が続いていてほしいなぁ。

2011年8月3日水曜日

バリ島での光景

田んぼが幾重にも重なる長閑な風景。そのひとつに何十羽ものアヒルが集まっているのを、私はローカルレストランから眺めていた。

空は夕暮れがかっていて、オレンジ色の空と紫色の雲のコントラストが美しい。

田んぼで働いていたおじさんが、やおらアヒルを煽り始めた。おじさんが手を大きく回しながらアヒルに近づくと、アヒルが一斉にひとかたまりとなって畦道に上がり始め、やがて一列になってヨチヨチと移動し始める。

その様子は、恐らく毎日のように行われている生活の一部の光景。長閑なこの土地での日常なのだ。

おじさんはアヒル達をかなり離れた田んぼに移動させたかったようで、じんわりとアヒルを追い詰めながら私から見てずいぶん左手の方に移動させていた。

ほとんどのアヒルが移動を済ませたというのに、一羽だけヨタヨタ畦道を歩いては田んぼに落ちてしまって、なかなか進まないアヒルがいた。やっと這い上がっておろおろと歩くも、足を滑らせ無様に田んぼに落ちる姿はあまりに滑稽で可愛らしく、笑いを誘った。

いるいる、ああいう鈍くさいアヒル。

見かねた田んぼのおじさんがそのアヒルを救い畦道に戻すが、しばらく歩くとまたもや田んぼに落ちてしまった。今度は畦道の向こう側に落ちたのでアヒルのドタバタする愛嬌のある姿が見えない。

おじさんはアヒルに手を伸ばし、アヒルを畦道に戻すかと思ったら、何やら手こずっているようでなかなかアヒルの姿が現れない。畦道が死角となっていて見えないが、田んぼの隅でおじさんが半腰になってアヒルと何かをしていた。ふふ、ほんとに鈍くさいアヒルなんだな…。

ようやくおじさんが立ち上がったがアヒルが這い上がってこない。ん?良く見るとぐったりしたアヒルがおじさんの右手にぶら下がってた。あ、あれ?もしかして、夕飯用に絞めちゃったの?

おじさんはぐったりとしたアヒルを右手に、のんびりと歩き出し、集まったアヒルの元に向かうと、再び大きく手を降りながらアヒルを移動し始めた。そのまま、おじさんはぐったりとしたアヒルを片手に明かりの灯る小屋に消えていった。小屋の煙突からは細い煙が昇っていた。

これも、この国の長閑な日常の光景。空はそろそろ夜が訪れていた。

「お待たせいたしました」

ウェイトレスの声に現実に引き戻される。注文した料理が運ばれてきたのだ。

「アヒルのカリカリ揚げでございます」

テーブルの上にこんがりとしたアヒルの姿揚げが置かれた。

繊細な子供だったら、きっと大泣きしていたことだろう。

おしまい。

バリでの出来事

ちょっと街から離れた食堂に行ったら、地元民しかいないのでタクシー(と言っても白タク)が見つからなくて、そこらへんにうろうろしてた若者にタクシーはどこ?って聞いたら、ちょっと待ってろ的なポーズ。待ってたら、先ほど荷台に店用の豚の丸焼きを運んできた軽トラが待機。中から屈強だが優しそうな目をしたおじさんがこっちへ来いという仕草。近寄ると窓を全開に(手動)して「どこに行くの?」と。行き先を告げると4万RPという。いやいや、それは高いよ、せめて3万と言うとあっさり交渉成立。

そこからが面白かった。

狭いトラックの乗車席におじさんと座る私。走り始めると「田園風景は見たくないか」と尋ねられる。いいや、まっすぐ目的地に行ってほしいな、というと「目的地に行く前に寄りたいんだ。店の持ち帰り弁当をデリバリーしたいから」だって。5分だけだから、というので頷くと、彼はご機嫌に走り始める。

この時期のウブドは大変な渋滞でエアコンもない車内はカンカン照りの太陽にかなりヒートアップ。

そんな中、彼は渋滞をすり抜け、細い脇道へ。観光客は絶対に足を踏み入れないようなエリアへどんどん入っていく車。私の知らないウブドの光景。田園の中に普通の住宅。オレンジ色の瓦屋根、石造りの重厚かつ風通しのいい建物。まさにインドネシアという感じ。車の横をよたよたとすり抜けるバイクがおじさんにあいさつをする。頭に祈りのための小花をたくさん乗せたおばさんがあいさつをする。うん、このおじさん、なかなか街では顔が広いらしい。

どんどん小脇に入ったところでふと車が停車した。辺りは一面のライスフィールドだ。

「1分待ってて」と言って、彼は持ち帰り弁当を持って消えた。

ほどなく手ぶらの彼が戻ってきて、何事もなかったように車を走らせた。

普通だったらドキドキの冒険なのかもしれないけど、こんな小さな街でみんなにあいさつしてるようなおじさんが悪い人であるわけがないし、おかげで素敵な田園風景や家屋が見れて、つくづく自分の神経の図太さに感謝したのでした。

おしまい

2011年7月11日月曜日

成績発表な気持ち

先日、病院で血液検査を受けた。

私は自分が健康だと思っているので滅多に病院には行かない。定期健診に行かねばならないと思いつつも、ついつい自分の元気さを過信してしまう。とはいうものの、月に何度も自分を恨みたくなるような二日酔いにやられ、食欲に任せて胃がちぎれそうになるまで大食いしたりしているので、ドクターに「久しぶりですから、血液検査してみましょう」と言われた時は、素直にコクリと首を縦に振った。

数週間後、結果をもらいに行くと…

なんと優秀な数値のオンパレード!!

ドクター「γ-GTPがほんの少し数値が高いですけど、きっとお酒のせいですから問題ありません」

ハハハハー!!ザマーミロ!!(← 何に?)

血液検査の2日前に今年一番のお酒の量を飲んで、二日酔いどころか三日酔いぐらいになっていたので、γ‐GTPの数値が高いのは当たり前なのさー。きっと、今日にはその数値さえ正常に戻っているはずだ。

あれほど肉と脂にまみれた食生活でも、コレステロール、中性脂肪、共に正常。

うーん、子供の頃は学校のテストの結果が成績になっていたけれど、大人になると健康の結果が成績みたいなもんなんだな。良い数値の羅列した小さな紙を冷蔵庫に貼る私。しばらくこれを眺めながら酒を飲もう。

私の食生活、あながち間違ってないのかな。
運動もあまりしてないけど、最近ハマり始めたバランスボールが体にいいのかな。

たぶんだけど、健康でいる一番の理由は、ストレスがない!ってことなんだろうなー。ストレスがないから幸せなのか、幸せだからストレスがないのかわからないけど、ストレスなんかにかまっていられないくらい幸せを追求するのにエネルギーを注いでいるのかも。

そういえば先日、エステシャンの友人にこんな質問をされた。

「のりこさんって、一体いつ怒るんですか?何に対して怒るんですか?」

私は滅多に怒らない。怒るとしたら、それは社会に対して。

と答えたら笑われました。先日は「どうしたらこんなにノーストレスな体になれるのですか?」という質問をされたばかり。

ストレスって、たいてい自己分析で解消される。深い自己分析を済ませておくとストレスの原因だったものはそうではなくなるし、ストレスから縁遠い生活になっていく…と私は思ってる。

だから考えることってとっても大事なのだ。

というわけで、来週、一人思考に更ける旅に出てきます☆

2011年7月1日金曜日

空腹の向こう側

先日、無性に美味しいパスタが食べたくなった。

自分で作ったものではなく、人に作ってもらった美味しいパスタが食べたい。
しかし、高級チックで大きな幅広の皿にそうめんみたいなパスタがちょこんと乗せられたようなパスタは食べたくない。私が食べたいパスタは、街でよくあるようなイタリアンの雰囲気でありながら、センスある人が作った美味しいパスタだ。

今日は美味しいパスタを食べる。

と心に決めて仕事に出かけたので、もちろんそれまでの食事を抜いた気合十分の体勢で挑んだ。刻々と時が進むにつれ、空腹感がこれでもかこれでもかと私を襲う。我慢すればするほど、ご飯が美味しくなるんだと自分に言い聞かせ、仕事を続けた。

やがて、仕事が終わる頃には私はすっかり、空腹という怪物に飲み込まれ、美味しいパスタから気持ちはハンバーグ、とんかつ、卵、海老フライ、チーズ、肉茄子炒め…と様相を変えて、私の頭の中は脂と大盛りのオンパレードのお祭り騒ぎであった。

いかん…!!
私はパスタが食べたいのだ。
しっかりするのだ、おぬき!!

と自分で自分を励ましつつ、携帯でいい店はないかと検索していると

『東京スパゲッチ』

というお店を発見した。

脂、大盛り、チーズ、とんかつ、ハンバーグ…ほぼすべての欲望を満たしてくれるではないか。なんて素晴らしいお店なんだ!!

当初の美食的パスタから路線を多少外した感はあるが、これで美味しければ問題ないのだ!!

東京スパゲッチに到着し、食券を買う頃には私の空腹は頂点に達していた。
それでも冷静だったのは、900gのパスタではなく450gのパスタを選んだことだ。

以前、1kgのステーキにチャレンジして死にそうになったことがあったから。

しかし、450gのパスタでは足りないといけないので、とんかつの乗っかったガーリック醤油味のパスタを注文した。もちろん、ここにベーコンのトッピングを忘れてはならない。

運ばれてきたパスタはうどん並の麺の太さ。私、こういうの大好き!
とんかつの上にはデミグラスソース。大きなベーコンが添えられていた。

そこにこれでもかというくらい粉チーズをかけ、わしゃわしゃと食べ進める。
麺が太いのでほんの数本フォークに絡めただけでも口の中がいっぱいになってしまう。一生懸命パスタを頬張って食べているうちに、顎が疲れてくる…ははは。

まだまだお腹には余裕を残したまま完食。
はー、美味しかった。600gでもいけたかもしれないなー。

などと余裕ぶっこいて帰宅。

その後、お腹を壊しました。

空腹感の波に飲み込まれ、その向こう側に見たものは、トイレという小さなお部屋なのでした。

おしまい。

2011年6月22日水曜日

スリミングマッサージ

本日、六本木にてスリミングマッサージを受けてきました。

スリミングマッサージとは、主にリンパの流れを良くして全体的なむくみを取るのが
目的のマッサージ。

マッサージが始まって、しばらくしてから彼女が言いました。

彼女「んー、のりこさん、柔らかいですね」

普通は硬いんだそうです。むくんでパンパンで。
私もむくんでいると思うのだけど、なぜ柔らかいの?

彼女「それは…s…sh…し…脂肪に包まれているからです!」

まじで!?

っつうか、知ってたよー。私、脂肪に包まれてるっていうか、脂肪だし。

無口に彼女が再びマッサージを続ける。

彼女「のりこさん…本当に痛がらないんですね。痛くないんですか?」

ん~、痛くないねぇ。少し我慢していると、痛みとの寄り添い方がわかるので
あまり痛くなくなっちゃうんだ。

彼女「のりこさん…どうやったらこんなノーストレスな体になれるんですか?」

…それは褒めているのデスカ!?

来月、ビキニを着るのでダイエットをしているのだけど、あとひと押し痩せたいので
スリミングマッサージを受けたのだけど、彼女曰く

彼女「のりこさん…、お酒を飲まなければ痩せますよ」

と言われてしまいました。

あと、筋肉を付けること、と言われました。

筋肉ってどうやってつけるのー?おうちでつけられるのー?
何買ったらいいのー?

と、帰宅後ぐだぐだバランスボールに座りながら考える私なのでした。

少し、お酒を控えようと思います。

2011年6月17日金曜日

始めてみました。

今さらなのですが、ブログを開始することにしました。

日々の思いやつぶやき等、思いつくままに書いていこうかなと思います。

気楽に更新していこうと思っていますので、どうぞよろしくお願いしますね。

さて、最初は何を書こうかな。